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2014/08/08 【座談会】和太鼓の録音

A:ちょっとお聞きしたいことがあったんですけど、和太鼓を録るマイクなんですけどね、SHUREのダイナミックがいいのかなっていう風に思ったんですよ、コンデンサーじゃなくて。
B:何か、オレも聞きたかったんだよねぇ・・・。まず、ホールによっちゃぁ、和太鼓とか、大きな音とか切っちゃうホールとかあって・・・三点流してくれないのがあって、自分で手当てすることの方が多いんだけれども、和太鼓に関してはマイクによって全然違うでしょ?
C:どうなんでしょうねぇ・・・。
D:和太鼓 録るときは、マニュアルじゃなきゃ、まず録れないよね。オートは使わないで。オートを使った場合は、音は録れるけれども、音が詰まってっちゃうわけだよね。ドン!ときた時にね、ぐっと抑えられちゃうから、普通の音に入らないよね、だいたいね。音の響きがなくなる。
だからそれは、必ずマニュアルにしなくちゃいけないし、その和太鼓だけならいいんだけど、他の楽器とのコンビで、琴が入ってるとか、笛が入ってるとかいうものだと、和太鼓の部分だけがね、ものすごい大きいわけだから、他の部分が小さくても和太鼓を活かすんなら、和太鼓をピークに持ってくるしかないわけだよね。当然ね。そういう録り方をするしかないよね。
A:今回は子供の和太鼓だったんだけど、実は、プロが出演してた。OBが。それが、すごい音が綺麗に録れた。もちろん、マニュアルで録ったんですけど。
調べたんですけど、和太鼓を録るには、ダイナミックマイクの方が良いというですね・・・
E:割れにくいのかもしれませんね。ダイナミックレンジが広いのか・・・。
A:SHUREの57、あれがベストなのかなとも思ったんですけど。
D:Hさんの仕事で、栃木県の益子まで行って、陶器が有名で、陶器製の和太鼓を作って、そこにね、日本でトップの演奏家が来て、演奏したわけね。それを舞台でやって、録って・・・それはカメラマイクでそのまま録ったと思うんだけども、それはマニュアルで太鼓の一番でかい音をピークにして録るというね、形で録ったと思うんだけど、別にそれで対応はできたと思うけどもね。
そりゃね、音響的にCDに録音するようなものを録ろうとか、そういうレベルになったら違うと思うんだけど。
A:ふと疑問に思ったのは、今回録った音に対する不満というのはないんですよ、全然。きちっと録れてたんで。コンデンサーマイクで録るのか、ダイナミックで録るのかっていう・・・。
F:比べてみなきゃ、もう、わからないよなぁ・・・
E:システムよりも機種というか、一概に言えないんじゃないですか。コンデンサーよりもダイナミックがいいとかって言うのは。やっぱり楽器に合ったマイクっていろいろあるから。
C:Iさんが音が詳しいので良く聞くんですけど、マイクそのものの違いより、音の良し悪しは、マイクの設置環境の方がはるかに大きいっていう結論です。
A:なるほどね。
C:例えば、琴と和太鼓っていうのがあると、ICレコーダーを琴の近くに一個置いておくだけで、はばは広がりますよね。
D:お寺さんの催し物で、本堂の前で和太鼓をやったんだけど、表だったからね、同じようにカメラマイクのみでレベルを合わせて録ったけど、別に問題はないね。
C:逆にでかいと、できることが少ないから楽ですよね。
E:ボクの場合はリミッターを入れてるんですよ。ミキサーに付いてるから。それを入れるとほとんど問題ないですね。一番大きい音を抑えるから。
A:リミッターを入れた方がいいですかね。今回はリミッターを入れなかったんですよ。
E:大きい音を抑えると、下の音も聞こえるし。
B:僕も入れる、怖いから。
F:割れちゃうのが一番怖いから。
いくら大きな音を抑えてたって、小さい音を拾えない時なんていくらでもあるわけだから。どうやって今言った設置マイクを何本使えるかでね。プロのドラミングなんかだと、それだけで6本くらい出るわけだから。
ゲネで、どれだけマイクを突っ込んで、何本設置できるかにかかってるんだと思うんだよね。1本2本で録ろうなんて世界だと、大きい音を録れるけど、小さい音を拾えないなんて話になってくるから。
B:ボクも去年やってて、お客さんからクレームっていうか、和太鼓の音が違うっていう話が来て。
そこは和太鼓の他にもいろんな演目もやってて、和太鼓の音がいつもの音と違うって言われて。ホールの人に言わせれば、和太鼓に合わせて音を録るのか、そうじゃないかによって違う。両方録れるのかもしれないけど、どっちに合わせますかって話になる。
F:そういうことだよね。単純に、クラシックを録りたいのか、ロックを録りたいのかって。
B:ホールが和太鼓に合わせたような音の録り方をしてくれれば問題はないかもしれないけども。
D:ホールのラインをもらって和太鼓の場合っていうのは、恐ろしいよね。それはやりたくないよね。ラインを もらいたくは ないよね。自分のマイクで録った方が安全だよね。
B:ボクの場合はずるいから、ごめんね、薄くでいいから出してほしいっていうの。それで、音割れは責任を問わないからって言って出してもらった音は けっこう使える場合がある。
D:お能なんかはね、やっぱ同じよ。大革っつってさぁ、キン!キン!キン!ってものすごい高い鼓あるじゃない。あれなんか、もう全然レベルが違っちゃうから。
E:カン!カン!ってやつ? あれ、すごいんだ。
D:あれ、大革っていうんだ。小鼓かと思ったら違うんだ。大きい鼓で、カン!カン!カン!って。
E:レベルがすごいですよね、あれは。
D:笛なんかも、一発 ピーッ!っていうのが入るんだよ。
一同(爆笑)
D:もうね、レベルの差がね。全然レベルの幅がある。
だからね、一番上に合わせるしかないんだよね。下の音を編集で、もしかしたら持ち上げることは可能だよね。
F:うまく拾えればね・・・。一番難しい。見えないんだもん、だって。
E:でも聞こえるよ(笑)
F:聞こえるんだけどさぁ。人間の耳もまた、うまく出来てるからねぇ〜。
E:できてる、できてる。
C:よくやるのは、大きく合わせたのと、小さく合わせたのを、左右で別々に録って、必ずどっちか割れるんですけど、でも小さいやつ拾うときは2chの方でっていう・・・。
B:あぁ、そういうことか。
D:それは、いいよね。
C:最近は、なんでもいいんで、ICレコーダーをジャンジャン置いちゃってます。
D:レベルの違う2chを録れるのはいいよね。たしかに。
A:あと、音で参ったのは、三味線の音。ICレコーダーで録ったら、これは三味線の音じゃないって言われた。
B:ちょっとした角度で、ガラッと変わると思うよ。
A:設置が悪かったってことですかね・・・
F:それはあるかもしれないよね。
E:近くで録ったんですか?
A:うん、比較的、遠くで・・・
G:ICレコーダーのマイクで録った?
A:うん、その時は、そうですね。
E:マイクはちょっとね。
A:それを使って貼り付けたわけですよ、映像に。三味線のお師匠さんが、これは三味線の音じゃない、と。
E:厳しい・・・。
B:ホールの人でも出せない人、いっぱいいるからね。
G:ICレコーダーについてるマイクの音は、あまり良くないって話、よく聞きますけどね。
E:まぁ、よくないでしょうね。金額的に考えてもね・・・
B:オンマイクの感じで録る場合は、ないよりは いいんでしょ?要するに音源に近いところで。
A:その時は、それを外して、普通のガンマイクで録った音を使って、編集したんですけどね。
B:音質、全然違うの?
A:僕はICレコーダーの方が全然 本当だと思ったんですけどね、逆に。
D:近くでやると、ここで聞いてる音がメインになるんですけど、録ってると、その録った場所で聞いた音が、そっちが本物だって言われると、どっちなんだっていう。
E:ピアノなんかもそうですよね。引いてると直接音が演奏者に聞こえるけど、実際のホールで聞いてる人は、もっとエコーのかかった音がね。
D:空間がね。感じる方が、現実的かもしんないね。
F:あとだから、ステレオなのかモノラルか、なので、普通はステレオで録ることって滅多にないでしょ。そういう音を録る時って。
A:モノの方が、絶対 音は良いですよね。
D:一種類だけっていうのは怖いわけだよな。考えてみれば、音っていうのはさ。何種類か録れれば、録っておくのがいいわけだよね。
A:それはね、必ず予備のカメラを一台置いてある。
F:臨場感がほしいときはステレオの方がまだいいけど・・・
D:ピアノなんて、ほとんどステレオ感なんてないんだけど、拍手の時がステレオ感があればね。
F:そうだよね。基本的にはモノラルで録らなきゃね、ポイント・ポイントで、本当はね、理想なわけじゃないですか。演奏者がいたら演奏者の数だけほしいんで。楽器の数だけ、本当はね。
A:ミキサーが大変になってくる。
F:本当に、そうよ。
記:よっしー
状況によって変わる音の録音については、みなさんの経験はとても参考になります。
※ 内容には、個人的な見解が含まれる場合があります。